信託した財産は誰のものになるのでしょうか。

 信託された財産の所有者は受託者となります。ただし、信託財産にかかる経済的価値は受益者のものです。

 信託とは、財産を預けることとほぼ同じ意味合いです。しかし、単純に預けることとは異なり、信託の場合には、財産の所有権が預かる者(受託者)に移動します。

 したがって、受託者は信託財産の所有者として信託財産に関する契約をすることができます。たとえば、信託財産が不動産であった場合には、受託者が信託財産の賃貸契約をしたり、修繕の契約をしたり、不動産の管理契約をすることができます。それだけに受託者の役割は重要です。あなたが財産を信託する際には、信頼できる者に信託する必要があります。

 次に、信託契約が非常に重要になります。信託契約には信託の目的を記載して、信託の目的から外れることを受託者が行うことができないように規定したり、信託財産に関する重要な事項(信託財産の売却等)について受託者が単独でできないように(委託者・受益者の同意を必要とする等)規定することを検討してもよいでしょう。

 

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